網膜硝子体部門
強膜バックルがされている硝子体手術後例でバックルが露出する合併症が発生し、それに対処したので報告する。
症例は60歳女性。前医にて右眼にシリコンスポンジのエンサークリングを行われたが網膜が復位せず、紹介にて硝子体+白内障手術を行い復位を得ていた。約5年後に右眼からの出血と痛みを伴う耳上側のバックル露出が発生し、バックル除去を行った。手術では離開した結膜からバックルを引きだして、そのトンネルになった部分に抗生物質を塗布した240番のシリコンバンドを挿入しスリーブにて固定し、結膜を再縫合して終了した。現在までに再発や再感染はなく経過良好である。同一の状況に遭遇する機会は少ないが本方法は有効であった。
塙本 宰、小沢 忠彦
小沢眼科内科病院