翼状片に対する無切除Z型切開回転術

角膜・結膜部門

これまでの翼状片手術は、増殖組織を切除して行うのが基本であった。しかしながら、増殖組織を切除した場合、欠損部を補うための回転移植や遊離弁移植、さらに、欠損部が大きくなる再発例では羊膜移植を要することがあり、術式もより複雑化する。しかも、一般的に欠損部が大きくなればなるほど、瘢痕癒着や眼球運動障害などが生じる可能性も高くなるため、欠損部をできるだけ作らずに行えるシンプルな術式が求められる。今回われわれは、増殖組織を切除せずに行える翼状片手術「無切除Z型切開回転術」を考案したので、術後経過とそのメリットについて報告する。

加瀬 諭1、陳 進輝1、加瀬 学2、石田 晋1
1北海道大、2手稲渓仁会病院