手術一般
【緒言】退行性下眼瞼内反症は、垂直方向と水平方向の弛緩が原因と言われている。治療法として、従来の埋没縫合法は数か所、点状に垂直方向のみ矯正するもので、再発率が比較的高いとされている。
【目的】我々は垂直方向と水平方向を短縮するように直径の太いゴアテックス_糸を用いて広範囲に通糸する新しい埋没法(Wide everting suture)を考案し、その治療成績を検討した。
【結果】症例は39名44眼瞼、平均年齢は76.5±7.1歳、術後平均経過観察期間10.0±5.0ヶ月で、再発率は3/44(6.8%)であった。再発した3例のうち、2例はJones変法、1例は同埋没法を追加施行し、その後経過良好である。
【結論】本埋没法は簡便で、手術時間も短く、有用な手技と考えられる。
林 憲吾
東京医歯大