網膜血管腫および巨大細動脈瘤に対する切除術

網膜硝子体部門

【緒言】Von Hippel病の網膜血管腫や巨大な網膜細動脈瘤は血管透過性亢進による旺盛な漏出のため、網膜の増殖性変化を助長する。今回、硝子体手術時に血管腫や細動脈瘤を切除することにより良好な結果を得た症例を経験したので報告する。
【症例1】72歳女性、左変視および視力低下で紹介受診。矯正視力0.1、血管腫を認め、光凝固したが黄斑上膜ができ、変視が悪化し、硝子体手術となった。膜を剥離し、血管腫を切除し、0.3に改善した。
【症例2】48歳男性、左霧視で初診。矯正視力手動弁、硝子体出血で眼底は透見しない。硝子体手術時に巨大な細動脈瘤を認め、切除した。術後視力は1.0に改善した。
【結論】 網膜血管腫や巨大な網膜細動脈瘤を切除することにより、それらの残存により生じる組織の再増殖を防止できた。

吉澤 豊久
三条眼科