眼内レンズ挿入器を用いた前房内飛入釘の摘出

手術一般

長尺な前房内異物に対して、筒状のもので包み込めば他の組織への侵襲を最小限に摘出することが可能と考え、眼内レンズ挿入器具による摘出を試みた。症例は37歳男性。建設業勤務。作業中、右眼に釘が飛入し当科受診。角膜から飛入した釘を前房内に認めた。角膜ポートから粘弾性物質を前房内に充填。経結膜角膜輪部1面切開を3.0mmスリットナイフにて作成。メドショットTMを上下反転して前房内に挿入し、異物を包み込んだ。隅角への陥頓をレンズフックで解除し眼内レンズ挿入器の中に入った異物をそのまま眼外へ摘出。IAにて粘弾性物質を除去して無縫合にて手術を終了。術後は裸眼視力1.5を得た。

石井 香利、秋元 正行
大阪赤十字病院