トーリック眼内レンズのローテーションに関与する要因

白内障/屈折矯正部門

トーリック眼内レンズ(IOL)のローテーションに関与する要因を実験的に検証した。豚眼を用いて、超音波乳化吸引術を行ったのちにトーリックIOL(SN6AT: アルコン、ZCT: AMO)を挿入した。IOL挿入後、粘弾性物質(OVD)を除去する際に前房内から除去するRock’n Roll法では、嚢内から除去するBehind the lens法と比較して、IOLが大きくローテーションし、吸引流量が高いと更に大きく回転した。IOL嚢内固定後に豚眼を波動式振盪器で振盪させると、嚢内のOVDが完全に除去されている場合回転せず、嚢内にOVDが残存している場合はローテーションがみられた。トーリックIOLのローテーションには残存OVDが関与しており、術中OVDの完全な除去が重要である。

後藤 憲仁、松島 博之、古藪 幸貴子、青瀬 雅資、妹尾 正
獨協医大