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ご 挨 拶

 第48回日本眼科手術学会学術総会の総会長を担当させていただく日本大学の山上聡です。本学会は以前は我が国の眼科学会のうちで日本臨床眼科学会、日本眼科学会に次ぐ3つめの大きな学会でした。一時的に参加者は減少しておりましたが前回の京都開催では3000名近い参加者に恵まれ盛況のうちに終了しました。眼科という診療科にとって手術の分野はとても重要です。患者様の視機能や付属器の機能回復・維持という点で国民医療に大きく貢献することはもちろん、多くの診療科の中での眼科のプレゼンスの向上にも資すると考えます。そういう意味でも広く眼科の手術医療の技術、知識のレベルアップを主導できる本学会の意義は大きいものと考えています。

 今回の日本眼科手術学会のテーマは、革新、そして検証とさせていただきました。手術の学会は理論ではなく腕自慢的な内容になることも少なからずあるかと思いますが、医師はサイエンティストであるべきです。新しい革新的な技術ができて皆が飛びついたとしても、手術の結果に対する検証作業に基づいた分析の上にその技術を向上させていくべきものであると考えることから選んだテーマです。新しい技術とその検証の両面からの講演に期待しています。

 今回の特別講演では網膜手術に関するご講演を横浜市立大学市民総合医療センターの門之園一明先生にお願いしました。門之園先生のご講演の特徴は、サイエンスの視点がいつも取り入れられていることで、今回もいつもながらの魅力的なご講演がとても楽しみです。もう一つの特別講演では、白内障手術に関して術後視機能に関する豊富なデータをお持ちの金沢医大の佐々木洋先生にお願いしました。佐々木先生は、白内障手術後の視機能の正確な検証をいつもされており、眼科分野でもっとも多くの手術がおこなわれる白内障分野で有用な新知見が紹介されるものと確信しています。

 手術に関する講演は自分の専門分野以外でも理解できないということはほとんどない非常にわかりやすい内容が特徴だと感じています。手術を実際に行っている方はもちろん手術治療の分野はどうなっているのかの見聞を広めたい方、入局されたばかりの新人にとってもとても理解しやすい講演で構成されます。今回はアクセスのよい横浜での開催でもあり是非ご参加いただき、新しい知識の獲得・スキルアップにお役立ていただきたいと思います。



第48回日本眼科手術学会学術総会 総会長
  日本大学医学部視覚科学系眼科学分野
               山上聡