|
平成22年1月より、前理事長故樋田哲夫教授の後を受けまして、第4代(第6期)の日本眼手術学会理事長を拝命しました常岡寛です。これからの約3年半の期間、会員の皆様方のために本学会の発展に邁進していく所存ですので、どうぞよろしくご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
日本眼科手術学会は、昭和45年発足の「眼科顕微鏡手術の会」をその起源としており、昭和53年9月に日本眼科手術学会として第1回学術総会を開催して以降、回を重ねるごとに発展して参りました。本年1月に開かれた学術総会(総会長:東京大学眼科学教室、新家眞教授)においては参加者が約4500名に達しており、国内では日本臨床眼科学会に次ぐ規模の総会を有する大きな眼科系学会に成長してきました。これは一重に先人の多くの先生方のご尽力の賜物と厚く感謝申し上げます。また、このような歴史と伝統、さらに実績のある眼科分野の大規模な学会の理事長を拝命し、その重責に身の引き締まる思いでもあります。
本学会は、眼科の幅広い分野に渡って手術にかかわる内容を取り扱う学会として運営されており、手術を研鑽している若い眼科医にとっては大変魅力的で絶大な人気がありますが、実は世界的にみるとこのような眼科外科系の総合的な学会は極めてユニークな存在でもあります。私の使命は、このようなわが国独自の発展を遂げてきたこの手術学会に、その規模に見合った団体としての機能を整備充実させて行くことであると考えています。
翻って、これまでの手術学会の活動を検討してみますと、年次学術総会の開催と機関雑誌(日本眼手術学会誌「眼科手術」の発行というもっとも重要な二つの事業は、非常に満足のできる高いレベルで継続して行われていると考えられます。しかし、一方、学会の運営を担当する理事会が主導して行われている活動で広く会員の眼に見える形で行われているものは、ほとんど思い浮かばないのではないかと思います。多くの会員の方々にとって「眼科手術学会」という言葉は、毎年1月末に開催される学術総会を意味するものであり、年会費は機関雑誌である「眼科手術」の講読料である、と認識している会員がほとんどではないでしょうか。実際には、理事会として外科系学会社会保険連合(外保連)を通じた保険点数の向上などの重要な活動も行ってはいますが、一般の会員にとっては雑誌以外に会員サービスとして考え付くものがないのが現状だと思います。
私が本学会の理事長としてこれから達成したい目標としては、学会本体の機能の拡張と充実、その結果としての会員サービス事業の確立を掲げたいと考えます。今日、インターネットはわれわれの生活の中に欠かすことのできないツールとして浸透してきており、学術総会における演題受付等の限られた業務はネット経由で行われていますが、今後は学会と会員、および、会員間でさまざまな情報交換ができる、というようなネットの持つ利便性を十分に生かしたサービスを展開していきたいと考えています。このような学会によるネットの活用は決して斬新なものではなく、すでにASCRSやESCRS、AAOなど欧米の学会では広く取り入れられた学会のひとつです。会員への情報提示や教育事業、さらには会員間での相互情報交換コミュニティーサイトの構築など、その活用はさまざまな分野におよぶことから、本会の学会員であることのメリットを雑誌の講読以外にもいろいろと享受できる、そのような組織の構築を目指したいと考えています。
さて、このように学会がさまざまな事業を展開するにあたってはいくつかの問題を解決しなければなりません。第一に、理事会の活動能力を高めることだと思います。そこで、迅速にいろいろな課題に対応できるよう、常任理事会を設置しました。各理事や委員会のメンバーからいろいろな意見を常任理事会に提出してもらい、常任理事会で提出された意見を討議してより良い学会にするための方策を検討し、それらを整理して理事会に提案することにより、会員からの意見が反映しやすい理事会にしたいと考えています。
次いで優先順位の高い課題として、学会の法人格取得があります。これまで本会は権利能力がない社団と呼ばれる任意団体としてその活動を行ってきました。しかし、任意団体は名称こそ団体と名乗っていますが、法的に正式に認められた存在ではありません。したがって、法的拘束力のある契約の締結や資産管理口座の開設等の主体となることが認められず、その活動にも限界がありました。今後、さまざまな公益活動を行っていくためには、法的に認められた団体としての法人格を取得することが必須と考えます。2008年に施行された公益法人関連三法により、要件が整えば、許認可を要することなく一般社団法人を設立することが可能になりました。本会はもともと営利を目的としない公益法人に順ずる団体でしたので、会員の皆様の総意に基づき一般社団法人を設立することは可能であると考えられます。
本会の一般社団法人格の取得に関しては、すでに2010年4月に行われた理事会にてその方向性が承認されました。次の手続きとして、法人化に向けた会員の皆様の賛意の確認が必要となります。会員の皆様方には、法人化に関するさらに詳しい説明と、その賛意をお伺いする書面をお送りしますのでご覧ください。本会の今後の発展、ならびに、会員の皆様へのさまざまなサービス業務を整備充実していく上で、学会の法人格取得はたいへん大きな利点であると同時に必要不可欠な過程でもあります。どうか会員の皆様方のご賛同を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
日本眼科手術学会 理事長
常岡 寛
|